ジャズの楽しさや魅力を伝えたいと思ってブログを書いているヤキマクです。
今回は、ジャズのアドリブにチャレンジしたい初心者の人やアドリブがうまくできずに困っている人の悩みを解決するために、本記事では、ジャズのアドリブをマスターしていくための8つのステップについて、説明いたいます。
ステップ1(1~2音に限定してアドリブ)
最初の段階としては、使用する音を1~2個に絞って、まずアドリブをやってみることをお勧めします。
参考に次の曲(0:30くらいまでのテーマ部分)をお聞きください。
デュークエリントン(Duke Ellington)が作曲したC Jam Bulesという曲なのですが、この曲のテーマは、「ソソ ソソ ソード」「ソソ ソソ ソード」(注:ピアノなどのコンサートキーの音名で書いています)という感じで、ソとドだけできています。
この2音だけ使ったメロディーがジャズスタンダードの代表曲として、演奏されているのですから、初心者のアドリブの入り口として、是非参考にすべきだと思っています。
また、ジャズミュージシャンのレジェンドの演奏など聴いていても、アドリブで小難しいことばかりするのではなく、たまに同じ音を連発するようなフレーズを演奏しています。(そこがイエーイと言いたくなる格好良いところでもあります!)
音楽の3大要素は、リズムとハーモニーとメロディーと言われていますが、3つ全部を一気に即興でやろうとすると難しいです。ハードルが高すぎます。
挫折する可能性が高いです。(←私がその一人で、何度も挫折しました)
そこで、まずはリズムで遊んでみることからスタートしてみましょう!
最初に紹介したC jam bluesを再生しながら、お手持ちの楽器を使って、是非遊んでみてください。
ピアノやキーボードなどコンサートキーの楽器の場合は、ソとドだけ。
テナーサックスやトランペットやクラリネットなどB♭キーの楽器の場合、ラとレだけ。
アルトサックスなどE♭キーの楽器の場合は、ミとラだけ。
いかかでしたか?
曲のどこでどの音を鳴らしても外れた感じはないので、打楽器感覚でドラマーのようにリズムに集中して楽しめると思います。
ステップ2(ペンタトニックスケールの5音でアドリブ)
次のステップでは、ペンタトニックスケールという5つの音(5音階)を使ってアドリブしてみましょう。
Cメジャーペンタトニックは、次の音になります。
ド(C) | レ(D) | ミ(E) | ソ(G) | ラ(A) |
またステップ1と同じようにC jam bluesの音源に合わせて、この5音だけを使って、お手持ちの楽器で音を出してみてください。
トランペット、テナーサックスなどB♭キーの楽器の場合、
レ(D) | ミ(E) | ファ#(F#) | ラ(A) | シ(B) |
アルトサックスなどE♭キーの楽器の場合、
ラ(A) | シ(B) | ド#(C#) | ミ(E) | ファ#(F#) |
となります。
曲のどの場面で、どの音を使っても大丈夫です。
こちらもステップ1と同じくコードは意識しなくても演奏することが可能なので、リズムやジャズのノリを出すことに集中できるのではないかと思います。
ペンタトニックスケールを12キーに移調した譜面のpdfファイルを公開していますので、こちらも参考にしてください。
ステップ3(ブルーススケールの6音でアドリブ)
次は、ジャズっぽくなる1音をペンタトニックスケールに足して、6音(ブルーススケール)を使ってアドリブしてみましょう。
Cメジャーブルーススケールは、次の音になります。
ド(C) | レ(D) | ミ♭(E♭) | ミ(E) | ソ(G) | ラ(A) |
ミ♭がブルーノートで、この音がスパイスになって、ブルージーな雰囲気が出てきます。
またステップ1と同じようにC jam bluesの音源に合わせて、この6音を使って、お手持ちの楽器で音を出してみてください。
トランペット、テナーサックスなどB♭キーの楽器の場合、
レ(D) | ミ(E) | ファ(F) | ファ#(F#) | ラ(A) | シ(B) |
アルトサックスなどE♭キーの楽器の場合、
ラ(A) | シ(B) | ド(C) | ド#(C#) | ミ(E) | ファ#(F#) |
となります。
どうでしたか、ブルージーが雰囲気で演奏できましたでしょうか?
実は、レッドガーランドのC jam bluesの演奏も多くがこのブルーススケールの音使いで演奏されています。
即ち使う音としては、この段階でかなりジャズっぽい演奏はできるはずなのです。
今回は、この辺りの説明に留めますが、ステップ2~ステップ3のペンタトニックやブルーススケールについて、もう少し詳しい説明する記事を書いていきたいと思っています。
ステップ4(ジャズフレーズを使ってアドリブ)
次の段階は、ジャズの有名アーチストが実際に演奏されているジャズフレーズ(ジャズリックとも呼びます)を少しづつ覚えて、そのフレーズを使って演奏することで、ジャズらしさが増していきます。
ジャズのボキャブラリーを増やして、実際のアドリブの中で使えるようにしていくというイメージになります。
この内容についても、今後記事を書いていこうと考えています。
ステップ5(フレーズを変化させてアドリブ)
ステップ5は、ステップ4の応用になるのですが、覚えたフレーズのリズムを少し変えたり、音を足したりして、カスタマイズするイメージになります。
ステップ4で覚えたフレーズを有効に活用して、使えるジャズのボキャブラリーを増やすことでアドリブ演奏を幅が広がると思います。
ステップ6(コード、スケールの理論も使ってアドリブ)
ステップ6にコードやスケールの理論的なアプローチでアドリブとしています。
コードの構成音を理解する。
コード進行から曲をアナライズ(分析)する。
そして、各コード上で使えるスケールやフレーズを導き出す。
そのような作業をした上で、アドリブを行う。
このような流れになります。
ジャズの理論をこのステップにすることについて、賛否両論あると思うのですが、ステップ4~ステップ5のジャズフレーズ無しで、ステップ6の機械的な作業をしても、ジャズっぽい演奏はできないので、ジャズ理論からのアプローチを6番目としまています。
実際の取り組み方としては、ステップ4~ステップ5と並行してステップ6の知識も勉強して理解を深めていくイメージになると思います。
このコードの基づいてアドリブを展開するための参考情報として、コードトーンに関するエクササイズの楽譜を作成してブログにて共有しましたので、もし良かったこちらの記事もご利用ください。
ステップ7(モードの曲でアドリブ)
モードジャズでは、コード進行を主体ではなくモード(旋法)を用いて演奏されているのですが、モードでアドリブすることになります。
参考にwikepadiaのモードの説明を引用します。
1950年代後半に試行され始め、1959年リリースの、マイルス・デイヴィスのアルバム「カインド・オブ・ブルー」で完成された。
ビバップをはじめとするモダンジャズでは、コード進行やコードの分解に基づくアドリブ・ソロ(奏者ごとの即興演奏)が行われてきた。ハード・バップに至っては、メロディが洗練された一方で、コードに基づく一つの音階のうち元のフレーズから外れた音が使えないという状況が出てきて制限がさらに増した。その大きな原因は、コード進行だけでなくメロディにおける進行感も演出しようとしたことにある。
そこで、考え方を改め、コード進行を主体とせず、モードに基づく旋律による進行に変更したものが、モード・ジャズである(一説にはハード・バップから洗練・発展したものともいわれる)。バッキングなどの和声の面では多少困難にはなったものの、ソロプレイにおいては飛躍的に自由度が増し、メロディの選択肢も増えた
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
更に分からなくなりそうなのですが…
モードの曲について、気になる方は、そのカインドオブブルーのso whatをお聴きください。
また私が以前、ハービーハンコックの処女航海(Maiden Voyage)を紹介した際にモードについて触れていますので、そちらも参考にしてください。
そちらは、処女航海(Maiden Voyage)で使えるスケールなど解説しています。
実は、C jam BluesをDドリアン一発と考えて演奏すれば、モード的なアプローチでアドリブできます。
Dドリアン
レ(D) | ミ(E) | ファ(F) | ソ(G) | ラ(A) | シ(B) | ド(C) |
そのDドリアンの音からファとシを抜くと、ステップ2で紹介したペンタトニックになるので、ステップ2もある意味モード的なアプローチにもなっています。
ステップ8(アウトフレーズ わざと外した音でアドリブ)
最後は、わざとコードやモードと違う音(外れた音)を使ったアドリブ演奏です。
初心者が意識的に手を出すところではないと思うのですが、ジャズは音を外すことも自由です。
音を外しても「どや顔」で演奏していたら、アウトした?って思ってもらえるかもしれません。
そんな感じで難しく感じずにできる音楽だということをお伝えして、今回は閉めたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
当ブログでは、関連記事でジャズ演奏に必要な知識体系のまとめやジャズサックスのおすすめ教本なども紹介していますので、参考にしていただければと思います。
また最近ジャズジャイアントが過去に演奏したフレーズの紹介記事なども書いていますので、こちらもよかったらご利用いただければと思います。
ジャズのアドリブのやり方(作り方)をマスターするためには、仕組み(理論)の理解と格好良いと思うフレーズを覚えることが大切だと思いますので、是非こちらも参考にしてください。
マイルスデイビス、リーモーガン、クリフォードブラウン、ハンクモブレー、チャーリーパーカーなど。
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