【ビバップ入門】ジャズ名盤・名曲 おすすめ 30分 定番まとめ

名盤名曲
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ジャズのスタイルを表す言葉として、ビバップ(BeBop)という言葉がありますが、今回はこのビバップの代表的なアーチストや名盤・名曲について、紹介します。

私が厳選した11曲(約30分)を聴くことで、ビバップの音楽イメージと有名アーチストを一気に把握できると思いますので、音楽を聴きながらお楽しみください。

では、まず最初にビバップとは何か、どのようなスタイルなのかを言葉で説明した後、代表的な曲を紹介していきます。

紹介する曲については、各種ソースから情報収集して、録音された日、参加したアーチスト、収録されているCD(2023年4月現在購入可能)が分かるように記載していますので、是非ご確認頂ければと思います。

ビバップとは

1940年代にアメリカで発展したジャズのスタイルで、それまでのスイングジャズと比較して、急速なコードチェンジを伴うコード進行、高速なフレーズ、アドリブ演奏がより重視されるなどの特徴を持っています。

スイングジャズは、ベニーグッドマンの「シング・シング・シング」やグレンミラーrの「イン・ザ・ムード」のようなビッグバンドのオーケストレーションを楽しむような一般受けする大衆音楽でした。

一方ビバップは、ミュージシャンがライブハウス閉店後に行われたジャムセッションの中で生まれた「ミュージシャン達のやりたいこと」をする中で確立されたそうです。

ジャムセッションに集まったミュージシャン達が、「アドリブ演奏で俺はもっと凄いことできるぜ!」という感じで進化していった、元々ミュージシャンのためのマニアックな音楽だったのだと思われます。

ビバップの詳しい説明は、英語版のwikipadia「Bebop」を確認されることをお勧めします。日本語版よりもかなり詳しいです。

ちなみにビバップは、短縮して「バップ」と表現されることもあります。

Billie’s Bounce

1曲目は、ビバップのチャーリーパーカー作曲のビリーズバウンズです。

モダンジャズ(ビバップ)の父と称されるチャーリーパーカーの代表曲で、その中でも名演だと思う1曲です。

この曲は、Fのブルース(Fキーで12小節のブルース進行)となっています。

チャーリーパーカー25歳、マイルスデイビスは19歳の時の音源です。

ピアノは、ビバップ期のトランぺッターとして有名なディジーガレスピーが担当していたことにも注目です。(このあとで、ディジーガレスピーのトラペットも紹介しています。)

1945年11月26日録音

Miles Davis, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Dizzy Gillespie, piano
Curly Russell, bass
Max Roach, drums

Donna Lee

次は、ドナリーです。

この曲は、チャーリーパーカー作曲と発表されているのですが、マイルスデイビスが自叙伝の中で、マイルスが作った曲なのに、パーカーに取られたと言っているそうです。

高速なテンポ、飛躍のあるフレーズ、まさにビバップ感たっぷりの1曲です。

1曲目のビリーズバウンズから1年半後の録音、マイルスデイビスのトランペットの音色がかなりよくなっているように感じます。

ピアノは、ビバップ期に活躍したピアニストとして有名なバドパウエルが担当しています。

ここまでの2曲は、サボイ(Savoy)レーベルのアルバムからの紹介になります。

1947年5月8日録音

Miles Davis, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Bud Powell, piano
Tommy Potter, bass
Max Roach, drums

A Night in Tunisia

次は、ディジーガレスピー作曲のチュニジアの夜です。

この曲もこれまでの2曲と同様、ビバップ期にジャズミュージシャンが作曲したジャズスタンダードで、現在も頻繁に演奏されるジャムセッション定番曲です。

トランペットは、ディジーガレスピー本人ではなく、マイルスデイビスの演奏です。

こちらのアルバムは、ダイアル(DIAL)レーベルのVo1に収録されています。

1946年3月28日録音

Miles Davis, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Lucky Thompson, tenor sax
Dodo Marmarosa, piano
Arvin Garrison, guitar
Vic McMillan, bass
Roy Porter, drums

Bird Of Paradise

次は、チャーリーパーカーのダイアル(DIAL)盤のVo2に収録されているBird of paradiseです。

この曲は、ジャズに詳しい方はわかると思うのですが、有名なジャズスタンダート(All the thing you are)と全く同じコード進行です。

しかも、All the thing you areの定番イントロで始まるので、本当にそっくりでして、録音時間の関係なのか、著作権の関係なんか、テーマを省いて演奏したような構成になっています。

1940年代の当時のレコードは、SP盤で3分半程度の録音時間の制限があったことから、どの音源も3分程度で録音されていて、ビバップが生まれた時代の音源は、短い時間に詰め込む工夫をされていたのだと思われます。

1947年10月28日録音

Miles Davis, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Duke Jordan, piano
Tommy Potter, bass
Max Roach, drums

Scrapple from the Apple

次は、チャーリーパーカー作曲のスクラップル・フロム・ジ・アップルです。

この曲もジャズスタンダードとして定着して良く演奏されていて、デクスターゴードンやブルーミッチェルなどの代表的なアルバムにも収録されている有名曲となっています。

チャーリーパーカーの絶頂期は、1940年代半ば~後半にかけてという説があるので、ここまでに地紹介した5曲は、その時代に当たる録音となっています。

50年代になると録音技術の進歩によって、収録されている音の良くなるので、50年代に録音された曲もこのあと少し紹介します。

1947年11月4日録音

Miles Davis, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Duke Jordan, piano
Tommy Potter, bass
Max Roach, drums

Bloomdido

1950年録音のバード・アンド・ディズ(bird and diz)からBloomdidoです。

ここまでずっとチャーリーパーカーとマイルスデイビスの2トップでしたが、この曲はトランペットがディジーガレスピーです。

ディジーガレスピーもビバップを築いたアーチストとして有名ですので、是非聴いて欲しいと思いまして、このアルバムの曲を選曲しました。

この曲は、B♭キーのブルース進行の曲となっています。

1950年6月6日録音

Dizzy Gillespie, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Thelonious Monk, piano
Curly Russell, bass
Buddy Rich, drums

My Melancholy Baby

次は、同じバード・アンド・ディズ(bird and diz)からMy Melancholy Babyです。

こちらもチャーリーパーカー作曲で、なんとも言えないせつないメロディーが大好きなので、紹介させていただきました。

あとピアノがセロニアスモンク(バドパウエルとともにビバップ期に活躍したピアニスト)であることにも注目して欲しいところです。

千鳥のクセがすごい・・・ではないですが、このセロニアスモンクのピアノは、かなりクセがあるフレーズを演奏しているところなども確認していただければと思います。

1950年6月6日録音

Dizzy Gillespie, trumpet
Charlie Parker, alto sax
Thelonious Monk, piano
Curly Russell, bass
Buddy Rich, drums

confirmation

次は、1953年録音のコンファメーションのチャーリーパーカーの代表曲です。

1940年代の録音に比べるとかなり音質が良くなっていることが分かると思います。

1953年7月28日録音

Charlie Parker, alto sax
Al Haig, piano
Percy Heath, bass
Max Roach, drums

Now’s The Time

次は、ナウズ・ザ・タイムです。

この曲は、1940年代から多くの録音が残っていますが、1940年代の音源に比べると、早いテンポで演奏されています。

1955年に亡くなったチャーリーパーカーの晩年の演奏ですが、衰えは感じないです。

1953年7月28日録音

Charlie Parker, alto sax
Al Haig, piano
Percy Heath, bass
Max Roach, drums

52nd Street Theme

次は、バドパウエルのジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1から52nd Street Themeです。

52nd Street Themeは、セロニアスモンクが作曲した曲です。

ファッツナバロのトランペットとソニーロリンズのテナーサックスのクインテットで、19歳のソニーロリンズの演奏が聴けるアルバムとなっています。

このアルバムについては、Blue Note1500番台シリーズの紹介記事を公開していますので、参考にしてください。[Blue Note 名盤コレクション]The Amazing Bud Powell Vol.1はこちら

1949年8月9日録音

Fats Navarro, trumpet
Sonny Rollins, tenor sax
Bud Powell, piano
Tommy Potter, bass
Roy Haynes, drums

Straight No Chaser

最後は、セロニアスモンクのジーニアス・オブ・モダン・ミュージックVol.2からストレートノーチェーサーです。

セロニアスモンク作曲で、Fキーのブルース進行の曲となっています。

セロニアスモンク(ピアノ)、サヒブ・シハブ(アルトサックス)、ミルトジャクソン(ビブラフォン)の順の各アドリブソロが聴きごたえがあって、とても聴きやすい1曲だと思います。

1951年7月23日録音

Sahib Shihab, alto sax
Milt Jackson, vibes
Thelonious Monk, piano
Al McKibbon, bass
Art Blakey, drums

30分でビバップの代表曲やアーチストを把握できることを目的に11曲を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

Youtubeチャネルに再生リストも用意していますので、11曲をまとめて聞き流す場合は、そちらもご利用いただければと思います。


このビバップ入門に続いて、ハードバップ入門の記事を投稿しましたので、こちらも是非ご確認頂ければと思います。

12枚の名盤が聴けるブログになっていますので、おすすめいたします。


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